高血圧について

hypertension

高血圧とは

 高血圧とは、文字通り血圧が高くなる状態を指します。血圧とは、心臓がどれくらいの力で血液を押し出しているか、という力です。血圧が高いということは心臓にそれだけ負担がかかっているということですから、心臓病を起こしやすくなってしまいます。また血管の先端に高い圧力が加わるため、脳の末梢の血管が破裂する病気、つまり脳出血の原因にもなります。それ以外にも全身の血管に負担がかかるため、腎臓病など様々な病気の原因になっています。

血圧の目標値

血圧の正常値は115/75mmHg未満です(ただし病院で測った場合は高く出やすいため、120/80mmHg未満が正常値となります)。以前は「高齢の方は多少血圧が高くっても良いんだよ」と言われていましたが、近年の研究によりご高齢の患者さんの方がむしろ脳卒中などの病気を起こしやすく、何歳であってもしっかり血圧治療をすることが健康維持に重要であることが分かってきました。そこで2025年に高血圧治療のガイドラインが改定され、年齢に寄らず家庭血圧125/75mm未満になるよう治療しましょう、と言う推奨になりました。 通常は食事・運動療法から開始しますが、血圧が140mmHgを越えている場合や、糖尿病を合併している場合は危険性が高いため、早めに内服を開始することが推奨されています

血圧の測り方

 
 血圧はご自宅で測りましょう。病院に来た時も一応は測定しますが、病院に来た時は普段より高めに出る方が多いです。ですから受診時の血圧だけみて治療をしていると、実は家では下がりすぎてしまっている、という危険があるのです。また稀ですが、逆に日中は血圧は良いのだけれど、朝だけとても高い、という方もいらっしゃいます。なので必ずご自宅でも血圧を測りましょう。血圧計は必ず上腕式(二の腕で測るもの)をご用意してください。手首式のものは不正確なため、治療の参考にはできません。
 血圧は毎日、1日2回、朝と寝る前に測るのが原則です。血圧はちょっとしたことでもすぐに変動するため、理想的には朝晩とそれぞれ2回ずつ・・測定して、その平均値を計算することをお勧めしています。体を動かしてすぐに測ると高めに出てしまうことも多いので、座って1~2分は安静にしてから測ります。朝は起きてから1時間以内、朝食を食べたり薬を飲む前で、朝のトイレはすませてから測りましょう。夜に関しては寝る前ならいつでも大丈夫ですが、お風呂に入った直後は避けましょう。
 1日2回測るのは、朝だけ高い方や夜だけ高い方も多いからです。どちらが高くても体には良くありません。例えば朝だけ測定していると、夜が高いのを見逃してしまう危険もあります。逆に高血圧治療中の方が、朝だけ測って良い血圧なので満足していたら、実は夜は下がりすぎてしまっていた、なんてこともあります。特に寝る前の血圧は忘れがちな方が多いのですが、やはりしっかりと測るのをお勧めします。

血圧の原因と治療

 高血圧の原因の多くは生活習慣の乱れです。つまり塩分の取りすぎや肥満、飲酒、運動不足などが主な原因です。糖尿病と同じように遺伝・体質的な要素もありますが、糖尿病に比べるとその比率は小さいです。ですから、運動療法、食事療法(塩分を控えることと、太りすぎの方の場合はカロリーを抑えること)、節酒などが主な治療になります。
 生活習慣の改善によって血圧を下げるのには時間がかかりますから、最初のうちはお薬である程度血圧を抑えることが推奨されます。しかし血圧はご自分の努力でかなり改善することもできます。実際に2~3種類と高血圧の治療薬を飲まれていた方が、頑張って生活を改善したことで全く薬がいらなくなってしまった、ということも良く目にします。ですから血圧の薬は必ずしも一生必要なものとは限りません。血圧が高いうちはしっかりとお薬で抑え、生活改善により根本原因が良くなったらお薬をやめる、というのが理想的な治療の流れです。
 ただし生活習慣とは関係がなく、遺伝性の高血圧や、ホルモン異常による高血圧の方もいらっしゃいます。またホルモン値は治療薬の選択にも役立ちますので、高血圧治療を開始するときにはホルモン検査をお勧めします。ホルモン検査は特に特殊な検査ではなく、一般的な採血です。
 また睡眠時無呼吸症候群が高血圧の原因になっている場合も良くあります。肥満傾向のある方や、夜間にいびきをかく方、日中眠気を感じるような場合は、ぜひ積極的に睡眠時無呼吸症候群の検査を受けましょう。睡眠時無呼吸症候群の検査も当院で実施可能です。

病院で測ると高く出るんだけど、家では低いのは?

 病院受診時に測ると血圧が高いんだけど、家で測ってみると全然高くない、という方もしばしばいらっしゃいます。精神的な緊張などが原因で血圧が上がっており、こういった方を白衣高血圧と呼んでいます。白衣高血圧の方は、普段ご自宅での血圧が正常であれば、直ぐには心配いりません。しかし病院に来ても血圧が高くならない方もたくさんいっらしゃるわけで、そういった方に比べると、白衣高血圧の方は将来的に本当の高血圧になりやすいことが知られています。ですから白衣高血圧の方は、すぐには治療は不要ですが、定期的に(週1-2回程度)は血圧測定を続け、家庭血圧が125/75mmHgを越えてきたら相談してください。

まとめ

 高血圧は脳卒中や心臓病、腎臓病など様々な病気の原因で、特に糖尿病を併せて持っている方はとても危険です。必ずご自宅で定期的に血圧を測定し、125/75mmHg以上が続く場合は主治医に相談しましょう。現在では年齢や病気によらず125/75mmHgを超えるようなら早めの治療が推奨されています

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