糖尿病は、よほど悪くならなければ、それ自体は特に症状を出さない病気です。それでもきちんと治療しなければいけないのは、糖尿病の治療状態が良くないと、さまざまな合併症を引き起こすからです。
糖尿病の合併症は、大きく2種類に分けて考えることができます。1つは糖尿病特有の合併症です。具体的には糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症の3つがあります。これらの合併症は、基本的には糖尿病以外の病気で引き起こされることはありません。
もう一つは、糖尿病特有ではない合併症です。脳梗塞や心筋梗塞、認知症、がんなど実に様々な病気があります。これらの病気は、糖尿病ではない方もなる可能性がある病気です。しかし糖尿病患者さんはこれらの病気にかかりやすいことが分かっています。
これらの合併症を予防し、患者さんが糖尿病がない方と同じくらい健康的に暮らせるようにするのが、糖尿病治療の目的です。