HbA1cは、ヘモグロビンエーワーンシーと読みます。長いので、略してA1c(エーワンシー)と呼ばれることも多いです。糖尿病治療の上で最も重要な検査所見ですので、この項目については必ず覚えて、毎回確認するようにしてください。
この数値は、Hb(ヘモグロビン=血液中の酸素を運ぶ赤い成分です)のうち、何%に糖が結合しているかを測定しています。健康な方は正常値は5.5%以下です。HbA1c5.6~5.9%はグレーゾーンで、調べてみると全く健康な場合もありますし、糖尿病予備軍の場合もあります。健康な方がHbA1c6.0%以上となることは比較的稀で、HbA1c6.0%以上になると糖尿病予備軍の可能性が高くなります。HbA1c6.5%以上となると糖尿病の診断となります(厳密にはもう少し細かい診断基準があります)。
糖尿病の方には、やはり健康な方と同様の血糖値を目指していただきたいので、HbA1c6.0%未満、つまりHbA1c5%台を目標としています。ただしインスリンや一部の低血糖を起こす薬剤を使用している方、ご高齢の方の場合は、正常な血糖まで下げようとするとかえって低血糖などをの副作用を起こす危険もあり、HbA1c7.0%未満など、個別に甘めの設定をすることもあります。ご自分の目標値に関しては一度主治医に確認しましょう。